友達に相談されたら、まず気持ちを最後まで聞き、「どうしたい?」と確かめてから、求められたら一緒に解決策を考えるのが、すれ違いにくい順番です。厚生労働省の働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」も、話を途中で評価したり否定したりせずに最後まで聴き、理解したことを確かめたうえで、意見やアドバイスを求められていれば誠意をもって応える、という流れを示しています。「気持ちを聞く」と「解決策を考える」は、どちらか一つを選ぶ話ではなく、順番の話です。
RONTEN編集部の結論
まず気持ちを聞く。解決策は「求められたら」一緒に
- はじめ:口をはさまず最後まで聞く。うなずき・あいづちで「聞いている」を伝える
- 話が一段落したら:「〇〇ってことだよね?」と理解を確かめる
- 次に:「聞いてほしい?一緒に考えたい?」と相手の希望を確認
- 深刻そうな時:一人で抱えず、専門の相談窓口につなぐ
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相談されたら、最初に何をすればいい?
最初にすることは、口をはさまずに最後まで聞くことです。解決策を考えるにしても、相手が本当に困っていることが分からなければ的外れになります。まず聞くことは、気持ちに寄り添うためだけでなく、きちんと助けるための準備でもあります。

こころの耳は、上司が部下の話を聴く場面について、話の途中で原因を追及したり、内容を評価したり、否定したりせずに聴くことが大切だとしています。そうすることで「なんでも話せる」という安心感が生まれ、より正確な問題の把握につながる、という考え方です。職場向けの解説ですが、友達の相談にもそのまま当てはまります。
聞いていることを伝えるいちばんの方法は、うなずきやあいづちです。こころの耳は、話が一段落したところで「あなたの話を……と理解したけど、合っているかな?」のように、理解したことを伝えて確認することもすすめています。ずれていれば、そこからもう一度聞き直せばいいのです。
「気持ちを聞く」派と「解決策を考える」派、何が違う?
気持ちを聞く派は「わかってもらえた安心」を、解決策派は「状況が前に進むこと」を大事にしています。どちらも相手を助けたい気持ちから来ていますが、「相談」という同じ言葉の中に「聞いてほしい」と「答えがほしい」の2種類があることが、すれ違いの元になります。

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| まず気持ちを聞く | 解決策を一緒に考える | |
|---|---|---|
| 大事にしていること | わかってもらえた安心 | 状況が前に進むこと |
| よくある考え | 「答えより、まず話を聞いてほしい」 | 「悩んでいるなら、早く楽になってほしい」 |
| すれ違いやすい場面 | 答えがほしい人には「で、どうすれば?」と物足りない | 聞いてほしい人には「否定された」「急かされた」と感じられる |
| ひと工夫 | 一段落したら「どうしたい?」と聞く | 提案の前に「アイデアを出してもいい?」と一言 |
よく「相談には共感が大事」と言われますが、共感だけで終わると、決めなければいけないことがある人には物足りなく感じられます。反対に、話の途中で「それはこうすればいいよ」と答えを出すと、相手は「まだ全部話していないのに」と感じがちです。どちらが正しいかではなく、相手がいまどちらを求めているかに合わせることが、この論点の答えです。
相手が何を求めているか、どう見分ける?
いちばん確実なのは、「聞いてほしい?一緒に考えたい?」と本人に聞くことです。察しようとして外すより、一言たずねる方が相手を尊重することになります。言わなくても分かるのが思いやり、と考えがちですが、相談の場面では、聞いて確かめることも立派な気づかいです。

確かめる時の言い方の例
「まずは全部聞かせて。そのあとで、一緒に考えようか?」
「今日は話を聞いてほしい感じ?それとも、どうするか決めたい感じ?」
「私だったらこうするかも、っていうのを言ってもいい?」
相手から「どうしたらいいと思う?」と聞かれたら、解決策を考えるタイミングです。その時も、答えを一つ押しつけるより「AとBがありそうだけど、どっちが近い?」と選択肢で返すと、決めるのは本人のまま、一緒に考えられます。
すぐに聞けない時や、LINEで相談された時は?
すぐに聞けない時は、「ちゃんと聞きたいから、〇時からでいい?」と時間を決めて伝えるのが誠実です。急いで中途半端に聞くより、落ち着いて聞ける時間を約束する方が、相手を大事にしていることが伝わります。

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こころの耳も、すぐに話を聴けない時は、話を聴く「時間」と「場所」を確保して相手に伝えること、話の内容が周りの人に聞こえてしまう場所は避けることをすすめています。聴く側に心の余裕がないと傾聴は難しくなるので、余裕を持てる時間を選ぶことも大切だとしています。
LINEなど文字での相談は、表情や声のトーンが伝わらない分、短い返事が冷たく見えることがあります。まず「読んだよ、話してくれてありがとう」と受け取ったことを伝え、長くなりそうなら「電話で聞こうか?」と手段を変える提案をするのも一つの方法です。
聞いた話を、本人の同意なくほかの人に話さないことも大切です。こころの耳は、相談で聞いた話は大切な個人情報であり、本人の同意なく漏らすことは、せっかく築いた信頼関係を壊すことにもつながる、としています。
深刻な相談だと感じたら?
深刻そうだと感じたら、一人で解決しようとせず、専門の相談窓口につなぐことも大切な助け方です。友達として話を聞くことと、専門家の支えをすすめることは矛盾しません。

厚生労働省は、悩んでいる人に気づき、声をかけてあげられる人を「ゲートキーパー」と呼び、特別な研修や資格は必要なく、誰でもなれるとしています。期待される役割は「変化に気づく」「じっくりと耳を傾ける」「支援先につなげる」「温かく見守る」の4つで、そのうちどれか1つができるだけでも、悩んでいる人にとっては大きな支えになる、としています。ゲートキーパーの心得には「一緒に考えることが支援です」という一文もあります。
厚生労働省の「まもろうよ こころ」では、電話やSNSで相談できる窓口を紹介しています。ゲートキーパーの心得には「ゲートキーパー自身の健康管理、悩み相談も大切です」ともあるので、聞く側がつらくなった時も、こうした窓口を使って構いません。
よくある質問
友達の相談に、ついアドバイスしてしまう
悪いことではありません。話の途中ではなく、相手が話し終えてから「アイデアを出してもいい?」と一言添えると、受け取ってもらいやすくなります。
解決策を聞かれたけれど、答えが分からない
分からないことは素直に伝えて大丈夫です。こころの耳も、答えを出せない時はそのことを伝え、相手が望むなら詳しい人を紹介してもよい、としています。
同じ相談を何度もされたら?
くり返し話すことで、気持ちを整理している途中なのかもしれません。ただ、聞く側がつらくなるなら無理をせず、「今日は30分くらいなら聞けるよ」と時間を区切るのも一つの方法です。
自分の経験談を話してもいい?
求められた時や、相手の参考になりそうな時は役に立ちます。話の主役が自分に移らないよう、短めにとどめましょう。
相談された内容を、ほかの友達に話してもいい?
本人の同意なく話さないのが基本です。誰かに力を借りたい時も、まず本人に「〇〇さんに相談してもいい?」と確認しましょう。
まとめ:まず気持ちを聞き、解決策は確かめてから
友達に相談されたら、まず最後まで気持ちを聞き、「どうしたい?」と確かめてから、求められたら一緒に解決策を考える。気持ちを聞く派と解決策派の違いは、どちらが正しいかではなく順番の問題です。深刻そうな時は、専門の窓口につなぐことも立派な助け方です。
この論点のポイント
- 「相談」には「聞いてほしい」と「答えがほしい」の2種類があり、すれ違いはその取り違えから起きる
- 気持ちを聞くのは、きちんと助けるための準備でもある。解決策は話を聞き終えてから
- 察するより「聞いてほしい?一緒に考えたい?」と確かめる方が、相手を尊重できる
あなたなら、友達から相談された時、まずは気持ちを聞きますか?それとも解決策を一緒に考えますか?
参考にした公式情報(2026年10月6日確認)